核心区、緩衝区:高美野生動物保護区において、重要な動植物の生息地であるため、立ち入りを禁止とする。
永続利用区:観光客に体験してもらうために開放しているが、野生動植物の生息を妨害してはならない。また、水泳、シュノーケリング、または道具等を使用したウォーターレジャーも禁止とする。
リンク:分区規制事項
高美湿地の甲殻類は、約7科20種以上に及ぶ。生息地としての類型の多様性のおかげで、さほど大きくない高美湿地でも、豊富な甲殻類を生み出すことが出来る環境になっている。高美湿地の甲殻類の多くはカニで、海中を遊泳するワタリガニ科や、砂地や岩地に生息するスナガニ科やイワガニ科など、その種類と生息地は多岐にわたり、いわば「屋外型カニの博物館」といったところである。大部分のカニは、驚くと、すぐに巣穴の中へ身を隠してしまうため、近距離での観察が困難である。が、異なる種類のカニが、異なる形の巣穴を作るし、それぞれの巣穴の入口の堆積物を観察することで、ある程度見分けることができる。干潮時が、もっともカニ観察に適する時間帯である。干潟上では、シオマネキが大きな鉗脚を振りダンスをしている。まるで潮を招いている(早く戻って来い)ようにも見える。オサガニは、歩脚を使い体を立たせて、全身の関節を伸ばし、目一杯日光浴をしている。夜行性のハマガニは、日没の暗くなってきたころを見計らい、ひっそりと巣穴から出てくる。カニを鑑賞するのに最も適している時期は、だいたい春の暖かくなり始めた頃、3月下旬から4月の初旬から、9月下旬の季節風が吹き始める前までである。冬が訪れると、カニたちは太陽のある日中に早々と食事を済ませ、巣穴へと戻っていってしまう。その後は、巣穴の中で季節風をやり過ごしている。